京都大学附属図書館 維新資料画像データベース


維新資料人名解説データについて

 

 平成8年度の文部省科学研究費データベース公開促進経費による「維新資料画像データベース」の作成において対象とした維新特別資料は、以下のような内容の資料である。幕末から明治維新に活躍した勤王の志士たちの遺品・典籍・墨跡を、京都に集積する目的で品川弥二郎が作った「尊攘堂」に全国から集められた資料を中核として構成されている京都大学附属図書館の所蔵する特殊文庫の一つである。学術審議会の建議(平成8年7月)などで言及されている大学図書館機能の高度化は、大学図書館の種々のサービスに対する新しい情報通信技術、あるいは情報処理技術の有効活用にあるとすれば、これまで大学図書館が展開してきた資料の目録所在データベース・サービスから一歩進めて、資料そのものの内容面への踏み込み、つまり、資料の電子化による新たなデータベース・サービスの展開が、図書館機能の高度化に繋がってゆくものと考えられる。このような考え方から、貴重資料の電子化による公開が京都大学附属図書館において構想されてきた電子図書館における内容の一つの柱となったのであった。

 この新たなデータベース・サービスにおいて、データベースの構成要素として考えられたデータは、資料の電子化による資料そのものの画像データを中心に、対象となる古典籍の現代語表記文や翻刻文そして現代語訳文さらには参照(引用)文献データなどのテキスト・データと、その他の関連データ(資料解説、関連年表、関連地図、関連人物データ、写真、肖像画等)であった。目録所在データからより資料内容に近づいた、あるいは資料が生まれた時点(背景)を指示し、資料を超えた現実を示すデータを対象とした少し面白味の在るデータベースを作りたいという意図であった。この考え方はその当時作業に携わったワーキング・グループの構成メンバーの中でおぼろげながら輪郭としてあったものであるが、きっちりと文章化されたものがあったわけではなかった。

 今回、それらのデータの一部分である関連人名解説データを前任者である林茂栄氏からの引継ぎとして作成することにしたのであった。対象は、本特殊文庫に含まれる資料に関連のある明治維新の志士83名の解説データである。これらのデータをどのような方法で作成するかについて検討することが必要であったため、10名ほどをサンプルとして抽出し、様々な人名関連参考資料群(辞典、事典類)を調査して、適当な方法を探してみることにした。調査した資料は下記リストにある12点であった。問題となった点は、これらの資料に掲載されている人物はある程度著名な人物に限られていたということ(典拠とする解説データがない人物をどうするか)と、作成する解説データの記述の精粗について大きな違いが出ないようにすることであった。前者については、63名までは記述できたが、残りの20名については今後の課題として残さざるを得なかった。後者については、ある程度項目を絞り骨格を作ろうとしたが、共通性を持たせるのに充分ではなく、結果としてこのようにまとめてみたものの、首尾一貫した記述になっているかどうかはご意見ご批判をいただき、今後データを改訂してゆく以外ないところである。

 1.明治維新人名辞典 吉川弘文館 1986

 2.幕末維新人名事典 新人物往来社 1994

 3.朝日日本歴史人物事典 朝日新聞社 1994

 4.三百藩藩主人名事典 新人物往来社 1986−89

 5.三百藩家臣人名事典 新人物往来社 1987−89

 6.大人名事典 平凡社 1957

 7.江戸幕臣人名事典 新人物往来社 1989

 8.日本洋学人名事典 柏書房 1994

 9.海を越えた日本人名事典 日外アソシエーツ 1985

10.江戸幕府旗本人名事典 原書房 1989

11.日本人物文献目録 平凡社 1974

12.角川日本姓氏歴史人物事典 角川書店 1989−(現在刊行中)

 

 最後に、これらの人名解説データを作成するに当たっては、文部省から科学研究費奨励研究(B)として基礎研究を実施するための費用をいただいたことによっている。ここに記して、お世話いただいた方々および示唆を与えてくださった方々そして協力していただいた方々に、お礼を申し上げたい。

1998.8.1

     大分医科大学附属図書館(元京都大学附属図書館) 片 山  淳

 

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