四六 高山正之 日記 高山正之自筆日記一冊は、彼が天明三年正月五日より二月十一日に至る在京中の日記なり。其中には 彼が京都に於ける生活及び交友の状況を記せるのみならず、種々の見聞は固より彼の思想信仰等に至る まで仔細に之を記入せり。正月五日の條には御所にて千壽萬歳猿廻はしを拜見せしことを記し、二月十 一日には其祖考貞正の爲めに神號を贈り、神道を以て祭祀せんことを神祇權大副吉田家に願ひ出で、許可 せられたる次第を詳記せり。而て圖版に掲出せる部分は正月十二日の條なり。 正之の遺稿中別に江戸日記あり、寛政元年江戸滯在中の日録にして京日記の姉妹篇とも稱すべきもの なり、江戸日記は明治四年その自筆の原本を模刻し「高山仲縄遺墨」と題して公刊せらる。而して京日記の 斷簡數葉、世に傳ふるものありて、江戸日記の末尾に附刻せり。(出典『尊攘堂遺墨集』)
Copyright 1997, Kyoto University Library