京都大学附属図書館所蔵 奈良絵本コレクション [しほやきぶんしやう(塩焼文正)] (一般貴重書・04-40/シ/2別貴・51426)

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 附図 4-40||シ||2別貴 <51426> 上中下3冊 写本 製作年,製作者,書写者不詳 五つ目袋綴 内曇表紙 本文料紙:斐紙 30.0×21.8cm 無辺界 毎半丁10行 内題なし, 標題は中巻の打付書外題による 上巻打付書外題:シホヤキブンシヤウ 本文:漢字交り平仮名文 挿図:片面32図,見開7図,彩色(奈良絵本)

 『文正草子』の通称で知られ、『御伽文庫』の巻頭を飾る物語の一本。極めて華麗な彩色の施された大型の奈良絵本で、室町時代物語集5に翻刻されている。
 常陸国鹿島大明神の大宮司に仕える雑色文太は、製塩業で巨富を得て、文正つねおかと呼ばれる。大明神に祈願して授かった二人の娘は気位が高く、大宮司の息子や国司の求婚も受け付けない。都の殿下の息二位中将が姉妹の噂を聞きつけ、見ぬ恋に苦しむ。中将は小間物売りの姿で常陸に下り、巧みな口上や管絃で文正親子を惹き付け、姉娘と契りを結ぶ。身分を明かした中将が姉娘を伴って帰京した後、帝の召しによって、妹娘も父母と共に上京する。やがて中将は関白に任ぜられ、姉娘は北政所、妹娘は后となり、それぞれ子女を産んで末永く栄えた。文正も高官に任じられ、栄華の内に長寿を保ったという。
 貧しい庶民が、身の才と娘の徳により立身出世を果たすという祝儀物。その内容のめでたさゆえに、女子の正月の読み物にふさわしく、嫁入り道具にも加えられ、豪華な奈良絵本や絵巻物が多数作られた。従って伝本の数も多く、本文の異同は大きいが、話の筋はほとんど同じである。

(京都大学附属図書館創立百周年記念公開展示会図録より)


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