年中行事の絵画作品として、『年中行事絵巻』があります。平安時代末期、内裏での年中行事の規範として、後白河院の命によって、常磐光長が執筆したものといわれています。これが後に模写され、伝わっていきますが、中でも、江戸時代、後水尾院が住吉如慶に写させた『年中行事絵巻』が有名です。この原本は後に焼失してしまいますが、模本は現在もいくつか残っています。
 京都大学文学部にも『年中行事絵巻』が所蔵されています。全13巻で、複数の人によって神社に奉納されたものです。右の画像は、その巻1『朝観行幸 上』の冒頭です。朝観行幸とは、天皇が太上天皇(前の天皇)や、皇太后の宮(母宮)のもとに行幸し、年始の挨拶をする儀式です。本作品は所々色が塗られ、また、画中に「クロ」「金泥」など、色を指定する書き込みがあり、豪華な彩色を施す予定であったことが窺われます。江戸時代には、この他にも絵巻や洛中洛外図屏風など、年中行事に関する絵画作品が多く製作されており、現存するこれらから、当時の行事の様子を知ることができます。

[文学部所蔵]
 

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