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古くから『備後国風土記』などで知られる蘇民将来の物語。豊饒国の武答天皇の太子は七歳でその丈七尺五寸、頭に三尺の赤い角があるという姿であった。父は太子に位を譲り、牛頭天皇と名付ける。天皇が狩りをしていると一羽の鳩があらわれ、天皇の后となるべきしゃかつ龍王の三番目の娘、婆利采女のもとへ案内すると言う。眷属をひきつれて龍宮へ向かう途中、天皇は古単という長者に宿所を求めるが、慳貪な古単は許さない。一方貧しい蘇民将来は天皇を歓待し、牛玉という玉を授かる。龍宮で婆利采女と結婚し八人の皇子皇女をもうけた天皇は、帰途再び蘇民の家に宿り、古単の家には災いをなそうとする。古単は相師の占いにより千人の僧に大般若経を講読させるが、中に一人の僧が居眠りしていたために結局天皇の眷属に一族もろとも殺されてしまう。
本書は真名本(物語大成3に翻刻)をそのまま訓み下したような本文になっているが、一部独自の本文ももっている。(M)
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