展示品目録 1&2


1. 今昔物語出典攷8. [三宝絵]15. [注好撰]
2. 衆経要集金蔵論9. [本朝法華験記]16. 古本説話集
3. 冥報記10. 江談抄17. 打聞集
4. 三寶感應要略録11. [江談抄]18. [宇治拾遺物語]
5. 孝子傳12. 江談抄19. 世継物語
6. 日本霊異記13. [俊頼髄脳]
7. 日本霊異記14. [注好撰]


No. 1 今昔物語出典攷  (況齋叢書九の内) 一冊  [Top↑] [Next] [Bottom↓]

[岡本保孝著] 京都大学附属図書館編 [大正六(一九一七)年]写
袋綴  二六・五×一九・○
書題簽・況齋叢書 扉題・今昔物語出典攷 首題、尾題なし
罫紙版心下に「京都帝國大學圖書舘藏書」
 国学者・況齋岡本保孝(一七九七〜一八七八)による『今昔物語集』説話の出典研究書。保孝の手沢校合本『今昔物語集』は現在、内閣文庫に所蔵され、他の多くの著述や手沢本は国立国会図書館や静嘉堂文庫に所蔵される。


No. 2 衆経要集金蔵論     紙本墨書 一冊   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

五つ目袋綴  後補薄茶色表紙  本文料紙・斐交り楮紙
二六・八×一八・七  無辺界 七行
後補書題簽・衆經要集金藏論 序題、首題・衆経要集金蔵論 尾題・金蔵論
朱書校合、朱句点
本奥書(朱筆)「長承三年〈甲/寅〉正月四日一見了 法隆寺□□/為令法久住利益人天####」
 序文によると編者は大徳沙門記論師、建徳六(五七七)以後間もなく頃の成立とみられる中国の仏教説話集。
 『今昔物語集』天竺部に『衆経要集金蔵論』に依拠したと考えられる説話がみられる。
 今野達「衆経要集金蔵論と今昔物語集」(『國語國文』第五十二巻第四号 昭和五十八・三)参照。


No. 3 冥報記 三巻  (尊経閣叢刊) 一冊 複製   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

(唐)唐臨撰  東京 育徳財団 昭和一二(一九三七)年刊
粘葉装  二四・六×一五・一
外題、内題・ 報記
原本・前田尊経閣蔵 長治二(一一○五)年 古鈔本
付・別冊解題(永山近影稿)
 六五一〜六五五年頃の成立とみられる中国の仏教説話集。中国では散佚しており、古写本では、この他、高山寺の巻子本が現存最古とみられるが、『今昔物語集』が依拠した『冥報記』は本書原本の前田家本と同系統のテキストであったらしく、依拠底本の誤りに起因すると思われる錯誤等が前田家本と共通する。
 わが国の説話集『日本霊異記』の巻上序にも「昔漢地造冥報記大唐国作般若験記・・・」と述べられるように、日本の説話集に大きな影響を与えたもので、『今昔物語集』震旦部・巻七、九などに依拠したとみられる説話が多い。


No. 4 三寶感應要略録 三巻  三冊   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

(宋)非濁撰  大和屋九左衛門 慶安三(一六五○)年板
五つ目袋綴  栗皮色表紙 本文料紙・楮紙
二七・六×一八・三 四周双辺 無界(内框一九・一×一四・二) 黒口・内向花魚尾 魚尾内・柱題、巻次、丁付
刷題簽・三寶感應録 首題・三寶感應要略録 柱題・感應録 尾題(巻上)三寶感應要畧録 (巻中)三寶感應要録 (巻下)三寶感應要略録
上冊表紙右肩に「三寶感應録/上中下/未ノ八番」、中央に「辰」、下冊表紙中央に「三寶」の打付墨書あり
上下冊題簽の大半剥落
 主として中国仏教の霊験記を集めた説話集で、日本へは十一世紀末にはすでに伝来し、前田尊経閣文庫に寿永三(一一八四)年の古写本が伝存する。
 『今昔物語集』には『三寶感応要略録』に依拠したと考えられる説話が巻六、七の多くにみられる他、二話一類の配列様式をこの書にならったともいわれる。


No. 5 孝子傳 二巻 一冊  影印   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

京都 京都大学附属図書館 昭和三四(一九五九)年刊
袋綴  二二・八×一六・三
外題、内題・孝子傳
原本・京都大学附属図書館清家文庫蔵 袋綴 天正八(一五八○)年写本 一冊
付・別冊解説(吉川幸次郎)
 原本の書写年は天正八(一五八○)年と比較的新しいものであるが、成立は唐代を下らない頃とみられる。
 『今昔物語集』には『孝子伝』に依拠したと考えられる説話が巻九に集中してみられる。
 今野達「古代・中世文學の形成に參與した古孝子傳二種について−今昔物語集以下諸書所收の中國孝養説話典據考−」(『國語國文』昭和三三・七)参照。


No. 6 日本霊異記 上巻  一冊 影印   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

(僧)景戒録 佐伯良謙編輯  京都 便利堂 昭和九(一九三四)年刊
袋綴  三三・三×二八・三
外題・日本國現報善悪霊異記 首題・日本国現報善悪霊異記 尾題・□□國現報善悪霊異記
原本・興福寺蔵 巻子 延喜四(九○四)年書写本の転写古鈔本
付・解説(大屋徳城)
 『日本霊異記』三巻は薬師寺の僧景戒の撰、正しくは『日本国現報善悪霊異記』といい、『日本國霊異記』、『日本國現報霊異記』などの別称をもつ、日本で最古の仏教説話集。古写本はこの他、来迎院本(平安後期の書写)、真福寺本(鎌倉書写)、前田家本(嘉禎二(一二三六)年書写)などが知られる。
 『今昔物語集』には『日本霊異記』に依拠したと考えられる説話が巻十二などにみられる。


No. 7 日本霊異記 巻下  (尊経閣叢刊) 一冊 複製   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

(僧)景戒録  東京 育徳財団 昭和六(一九三一)年刊
大和綴  二六・一×一五・四
外題・日本國霊異記 扉題・日本國善悪現報霊異記 首題・日本國善悪霊異記
原本・前田家蔵 嘉禎二(一二三六)年 禅恵写本
付・別冊解説
 『日本霊異記』の古写本はこの他、興福寺本(延喜四(九○四)年書写本の模本)、来迎院本(平安後期の書写)、真福寺本(鎌倉書写)などが知られる。
 『今昔物語集』には『日本霊異記』に依拠したと考えられる説話が巻十二などにみられる。


No. 8 [三宝絵] 名古屋市博物館蔵 三寶潤@写真版 一冊 影印   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

[源為憲撰] 名古屋市博物館編集  名古屋 名古屋市博物館 平成元(一九八九)年刊
三○・四×二一・八
原本・名古屋市博物館蔵(関戸家旧蔵) 中・下残巻 綴葉装一冊、 東大寺切の内二葉 保安元(一一二○)年書写本、伝源俊頼筆  
付・別冊《解説・翻刻版》(小泉弘、山本祐子、高橋伸幸)
 源為憲(?〜一○一一)が冷泉天皇皇女・尊子内親王のために撰した仏教説話集。書名や説話の末尾に「絵有り」「ゑあり」と記した部分があることからもとは絵が中心の説話集であったとみられる。東寺観智院蔵本が『三宝絵詞』の書名をもつのも、現在の伝本が『三宝絵』の詞書の部分であることを示している。伝本系統は名古屋市博物館蔵の平仮名本の他、漢字混り片仮名書の東寺観智院本、醍醐寺本からの転写本である変体漢文体の前田家本の古写本三系統が知られる。
 『今昔物語集』には『三宝絵』に依拠したと考えられる説話が巻十二にみられる。


No. 9 [本朝法華験記] 日本法花験記 高野山宝寿院蔵  (京都大学国語国文資料叢書三八)          一冊  影印   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

[鎮源撰] 京都大学文学部国語学国文学研究室編  京都 臨川書店  昭和五八(一九八三)年刊
一九・二×一三・五
原本・高野山宝寿院蔵  上巻一冊 列帖装
付・翻刻、解説(千本英史)
 『本朝法華験記』は、鎮源撰、長久年間(一○四○〜一○四四)成立の法華経霊験説話集。『日本法花験記』、『大日本法華経験記』などの別書名が多い。
 『今昔物語集』の本朝仏法部、特に巻十二、十三、十四の中核をなす資料とみられる。


No. 10 江談抄  (尊経閣叢刊) 一軸  複製   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

[大江匡房談] [藤原実兼録] 東京 育徳財団 昭和一三(一九三八)年刊
巻子  二七・六
外題・内題なし
原本・前田家蔵 寛元三(一二四五)年書写本
付・別冊解説
 『江談抄』は大江匡房(一○四一〜一一一一)の談話を筆録した説話集。筆録者は藤原実兼といわれるが、何人かの記録あるいは聞書等を集成したもので実兼による筆録がその中心とみられる。古写本には前田家本の他、高山寺本、醍醐寺本があり、特に組織された構成はもたず、聞書の面影を残している。後に改編の手が加えられた類聚本系には宮内庁書陵部蔵柳原本などが知られる。
『今昔物語集』には『江談抄』に依拠したと考えられる説話が巻二十四などにみられる。


No. 11 [江談抄] 水言鈔  一冊 影印   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

[大江匡房談] [藤原実兼録]  東京 古典保存会 大正十四(一九二五)年刊
袋綴  二四・七×一六・一
外題、扉題・水言鈔 首題・江談抄
原本・醍醐寺蔵  巻四、五 一冊  紙捻袋綴  平安朝末期鈔本
付・解説(橋本進吉)
 醍醐寺本『水言鈔』の「水言」は「江談」二字の偏をとったもので、筆録者・藤原実兼の孫である醍醐座主勝賢から甥の同座主成賢への伝領本で、最も筆録者に近い伝本とみられる。
『今昔物語集』には『江談抄』に依拠したと考えられる説話が巻二十四などにみられる。


No. 12 江談抄  一冊 影印   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

[大江匡房談][藤原実兼録]  東京 古典保存会 昭和五(一九三○)年刊
袋綴  三一・七×二六・八
外題・江談抄 内題なし
原本・現在文化庁蔵(高山寺、神田喜一郎旧蔵) 巻子 古鈔本
付・解説(橋本新吉)
 『今昔物語集』には『江談抄』に依拠したと考えられる説話が巻二十四などにみられる。


No. 13 [俊頼髄脳] 無名抄  紙本墨書 一冊   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

源俊頼著
袋綴  改装・後補薄茶色布目表紙  本文料紙・楮紙
二七・一×一九・四 無辺界 十二行
後補書題簽・无名抄 首題、尾題なし
後補表紙の内側に刷毛目元表紙あり、元表紙に「无名抄 俊頼」の打付墨書
巻頭前、元表紙見返上に久世子爵蔵書章を貼布す
本奥書「壽永二年八月二日於紫金臺寺/見合了依知足院入道殿下命/奉為賀陽院俊頼朝臣所作今/題家朝臣本号俊秘鈔/自教懿御僧相傳之智範之」、書写奥書「仰家従令書寫了」、つづいて校合奥書(朱筆)「一校了/銀青光禄大夫(花押)」
 一般には『俊頼髄脳』の書名で知られる平安時代の歌学書で、藤原定家と考えられる奥書をもつ定家本(国立国会図書館蔵)と、顕昭が校合したと伝える奥書をもつ顕昭本(静嘉堂文庫蔵)の二系統に大別される。本書は顕昭本系の一。和歌説話を多分に含んでおり、鴨長明の『無名抄』などにも引用され、『今昔物語集』との関係も少なくない。


No. 14 [注好撰] 古代説話集 注好選  一冊 影印   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

東寺貴重資料刊行会編集  東京 東京美術 昭和五八(一九八三)年刊  京都大学文学部蔵
三○・九×二三・四
原本・東寺観智院蔵  綴葉装 仁平二(一一五二)年写本
付・釈文(馬淵和夫)、索引(稲垣泰一編)、解題(馬淵和夫)
 『注好選』は平安末期頃成立とみられる編者未詳の教養説話集。『注好選』の古写本にはこの他に、東寺観智院本の転写本である宮内庁書陵部本とそれとは別系の金剛寺蔵本が知られる。
 『今昔物語集』とは同時代の作品とみられ、天竺・震旦部に『注好選』と共通する多くの説話がみられる。


No. 15 [注好撰] 金剛寺蔵 注好撰  (和泉書院影印叢書一二)   一冊 影印
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後藤昭雄編  大阪 和泉書院  昭和六三(一九八八)年刊
二一・五×一五・五
原本・金剛寺蔵  綴葉装 元久二(一二○五)年 信阿弥陀仏書写本  一冊
付・翻刻、校異、解説、索引
 金剛寺本は東寺観智院本や書陵部本とは別系の『注好撰』。
 『今昔物語集』の天竺・震旦部に『注好選』に依拠したと考えられる説話がみられる。


No. 16 古本説話集    一冊 影印   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

貴重古典籍刊行會編輯  東京 貴重古典籍刊行會 昭和三○(一九五五)年刊 京都大学文学部蔵
二九・○×三○・五
原本・梅沢記念館蔵  胡蝶装(本書解説による) 鎌倉時代鈔本 一冊
付・解説(田山方南)
 『古本説話集』は外題、内題等書名の手掛りとなるものが何もなく、梅沢記念館本以外に伝本もなく、昭和一八年に『古本説話集』と仮の名を与えられたまま今日に至っている、編者未詳の説話集。成立は平安末期とも鎌倉初期ともいわれ、『今昔物語集』や『世継物語』などと多くの共通した説話をもち、『今昔物語集』と共通する説話は四十話ほどにものぼる。


No. 17 打聞集    一冊  影印   [Top↑] [Previous] [Next] [Bottom↓]

東京 古典保存會  昭和二(一九二七)年刊 京都大学文学部蔵
三一・六×二七・二  袋綴
原本・京都国立博物館蔵(山口光圓旧蔵)  袋綴 一冊
付・解説(橋本進吉)
 『打聞集』は表紙に「長承三(一一三四)年・・・」の年記があることから、それ以前の成立とみられるが、編者や成立年未詳の仏教説話集。『今昔物語集』とともに漢字交り片仮名文で書かれた最古の説話集。他の伝本はみつかっていない。
 収録される説話のほとんどが他の説話集と共通しているといわれ、毎条「昔」の語で始まり、体裁、文体、用字法の類似とともに総話数二十七話のうち二十一話が『今昔物語集』と共通する。
 なお、『打聞集』には「嘉承元(一一○六)年」その他の年記をもつ紙背文書があり、歴史学上でも注目される資料である。
 東辻保和著『打聞集の研究と総索引』(付別冊・影印篇 清文堂 昭和五六)参照。


No. 18 [宇治拾遺物語] 宇治大納言物語  伊達本 (私家版「古典聚英」三)  二冊 影印
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吉田幸一編著  東京 古典文庫 昭和六○(一九八五)年刊 京都大学文学部蔵
三○・四×二一・六
原本・吉田幸一蔵(伊達家旧蔵) 袋綴 慶長年間(一五九六〜一六一四)以前写本 漢字交り平仮名文 二冊
付・書誌・論考
 『宇治拾遺物語』は編者未詳の説話集で、成立時期は十三世紀前半とみるのが通説となっている。古写本には本書の原本・伊達家本の他に、陽明文庫蔵本、宮内庁書陵部蔵本(御所本)、桃園文庫本、蓬左文庫蔵本などが知られるが、諸本間の本文異同は多くない。
 『今昔物語集』に比べると規模は小さいが、多様な内容をもち、中世以降愛読されている。『今昔物語集』の後行作品で、共通する説話は八十余話にものぼる。


No. 19 世継物語     一冊   [Top↑] [Previous]

編者、出版者、刊年不明
袋綴  藍色表紙  本文料紙・楮紙
二七・八×一九・五  無辺界  十行
外題なし  首題、尾題(補鈔)世継物語
題簽剥落
表見返左端及び尾題下に「一冊物」と墨書あり
蔵書印「播州林田/河野絢夫」(朱文、印記主・河野鉄兜)
 五十六話からなる編者未詳の歌物語ともとれる説話集。成立時期は鎌倉初期から中期にかけてと推定されている。最初の説話が『世継物語』の別称をもつ『栄花物語』に含まれていることから、この名が誤まり付けられたとみられており、同名の異称をもつ『大鏡』や『栄花物語』と区別するために『小世継』、『小世継物語』とも称される。『今昔物語集』の後行作品。


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